【ウラ話】蝶の森について

こんちは~、ヨシフミです。

『蝶の森 羽』で物語が折り返しに入るので
予告どおり、各話の振り返りをやりたいと思います。

『恋』、『剣』と、いつもシリーズ終わるごとに
次の話作るための論点整理みたいなことを自分でやってるので、
その一部を編集して公開しようっていう試みです。

ペース調整でお休みをいただくかわりに
少しでも楽しんでもらえたらなと思ってます!


このウラ話で書く内容は

・この作品に影響受けてると思います
・作ってるときこんなこと考えてました
・こんな音楽聴いてました
・初期設定ではこうでした
・あのキャラはこういうヤツです

みたいなことです。

途中で絵も挟むようにするので
ゆっくりしていってください。


今回の目次↓

蝶の森のコンセプト
・全体の目指すところ
・吸血鬼モノという題材について
・構想段階の話

何の漫画なのか
・ゾーニング問題
・グロと年齢制限
・構成について


長いよ!



蝶の森のコンセプト

全体の目指すところ

なんつうか人生の中間決算ですね!

自分まだ20代なんですけど
いろいろと学ぶこと多かったなーと思うので。

漫画らしい表現や面白さを追求するっていうより、
「同じこと考えてる人いたらいいな~」って
気持ちで書いてます。
※漫画の工程を大きく2つに分けて
ストーリー作り=書く
画面作り=描く
と表記することにしてます。

だから、『蝶の森』を完結させて
別の話を書くことになったら
そのときは別のことを追求する漫画をやりたいです。
漫画サイトみたいなところに投稿もしてみたいな。

あとは、世界の成り立ちとか神様とか
架空の生き物を空想するのが好きなので
それをアウトプットしてる感じです。

第4話「まがいもの」より
『恋』のオマケ漫画でルリが匂わせていた一族の歴史や世界観は『剣』でひととおり説明できたと思います。
「一族の系譜」、「図鑑の詩」などなどオマケに分けた部分も本当は漫画で描きたかったけど力量的にも、ページ数・話数的にも無理でした。すみません。



吸血鬼モノという題材について

ここ数年付き合いのある友人なら
おまえはそうだよねっつって分かってくれる症状なんですが
私わりと好きな相手のこと食べたくなっちゃうんですよね。
改めて書くとアレだけど、わりと誰でもある感覚なんじゃないかな。
過去絵を見ると爬虫類・両生類を食べてる絵がイヤに多い。
入れ歯チョコとかああいうのは苦手なのに……。

自分の場合、ペットでも恋人でも
先に想像するのは性的なことより調理なんですよね(こわ)。

第3話「ガートルードと輝く瞳」より

この子の腱煮込んで食べたいな(概念)、とか
一番おいしい調理法(概念)をアレコレ考えちゃう。
自分が料理すんの好きだからかもしれないですね。
でももちろん実際にするのもされるのも無理ですよ、
怖すぎるし悲しすぎるからほんとありえない。リアルで残酷なのわりと苦手です。

とにかく欲求の発露としては
セックスより食の方が真に迫っている感覚があるので
『蝶の森』みたいな題材になるのもわりと自然かなと思います。


だからかも分かりませんが、
逆にセックス物語(セックス物語?!)は苦労します。

キャラ動かすときでもそうですけど
性愛に基づく発想ってのがなかなか難しくて……。
不自然な力み方しないとそっちに持っていけないです。

そういう意味で、登場人物同士の性行為も
「こいつらはそういう関係だろ」と思ってても
場面としてはぜんぜん想像できないのであんま描きたくない。
そこはメチャクチャ弱点だなって思ってます。

…逃げるな……エロから……。



構想段階の話

それはそれとして(根本では結びついているのかもしれないが)
吸血鬼モノへの憧れは昔からものすごく強かったです。

『バンパイヤ』なり『ダレン・シャン』なり
幼少の頃からみごとに人間吸う(食う)系のものばっかり
好きになっていて……。
まあこの辺の話はマジでツイッターで5億回くらいしてるんですけど。


で、特に萩尾望都の『ポーの一族』に憧れてます。
この話は10億回してる。これからもする。

昔から漫画は好きだったし、遊びで描いたりしてたけど、
こう……自分も何か描いて公開したい!と思ったのは
ポー読んでからだったと思いますね。

とにかくその頃は
オムニバス形式で編み上げる物語に
触れるのが初めてだったので、
その衝撃の大きさもあると思います(たぶん)。

でもいざ自分がそれを形にするとなると
いろいろ考える必要があったので、構想は何年か温めてました。
1巻あとがきにもあるとおり着想自体は11年くらい前です。


もちろんそのあいだずっと考えていたわけではないです。
じつは、『蝶の森』の着想から実際の作業開始までに
香散見薫(かざみかおる)というペンネームで
『縦林高校』っていう1ページ漫画を20回分くらい描いてました。

『縦林高校』主人公4人のうちの2人、三木(左)と伴野(右)。
三木はウラナミに、伴野はパヴァロテに似てますね、今見ると。性格は全然違います。

もう続きやるつもりないので公開してないんですが
見てくれてた方がいるかもしれないので一応書いておきますね。
むかし好きだった同人作家さんがサイトを閉じた時
私すごく寂しかったんで……。


ただ『縦高』が全然終わる見通しが立たなくて、
そのうちにだんだん作り手としての関心が
「高校生の日常風景」ってとこから離れていったんですよね。

自分はこの漫画に出てくるキャラが好きですけど、
当初彼らとやりたかったことが次第に思い出せなくなって、
なんかこう…「中身知らない本のレビューを
タイトルから推測して書いてるような気持ち」というか、
とにかく空々しいことをしているような気になってしまったんです。


それで、『蝶の森』も『縦高』と同じように
遠い世界になってしまったらすごく悲しいと思って、
いろいろ決まってないことはありましたが
着手することにしました。

そんなこんなでいざ手を動かして作ってみると、
物語はどんどん変わっていきましたね。
このへんのことは3~4話のウラ話でまた触れるつもりです。


でもひとつ言えるのは、
着想を得たときに描き始めていたら
だいぶ違う雰囲気の漫画ができてたはずです。
まだ子どもだったしね。

……もしかしたら『縦高』みたいに未完で終わってたかも。
結果的にはいまがベストなタイミングだったと思ってます。




何の漫画なのか

ゾーニング問題

で、初の自作冊子『恋』が刷り上がったので
創作の大市場・COMITIAに
行ってみようってことになったんです。

イベントって、
頒布物のジャンルごとにスペースが区分されるので
サークル参加するときには
こっちから「コレコレの漫画です」って
申告する必要があるんですね
(最初から〇〇向けイベントと銘打たれている場合もある)。

いざ参加する段になってすごく困っちゃったんですよね。
いや……これ何漫画?っていう……。

第1話「理想」より
ごぶさたしてます、ちょうちょさん! 『蝶の森』といっておきながら虫漫画ですらないのだ。

『恋』については「少女漫画のつもりで作ってます~」と
言ったこともあるけど、本当に気持ち的なものだったし、
そもそも少女漫画がカバーしてる範囲ってどこまでだよ!
って考えたら世の中にはいろんな「少女漫画」があるわけで……。


自分で作っててすごく思うんですけど
『蝶の森』ってたぶん万人受けしないし、
読んだうえで好きになってくれる人の傾向が偏るのは
言っちゃえば当然で、それはしょうがない気がしてます。

でもだからといって、こっちから入口狭くするのは
なんかお互いに損なんじゃないか???とも思うんですよね。

普段からいろんな漫画読むけど
このジャンルだから絶対面白い・つまんないって
あんまないと思うし(好き嫌いはあるにしても)。

自分が作ったものを誰が読んでくれてもよくて、
読んだ結果その人が求めてるものと違ったなら
それでいいって思います。


第2話「鏡」より

同人(創作)では己のさじ加減でなんだってできるので
それがいいところなんでしょうね。

そういう意味で、『縦高』も『蝶の森』も
せっかく自分の庭をもつなら好きにやろうと考えてました。

自分の漫画では
カップリングとか、〇〇属性、〇〇萌え
みたいな枠組みを設けずに、
物語を組み上げていくつもりです。

ただ、そういう試みが「奥深さ」に繋がるのか、
それとも「分かりづらさ」の原因となるのかは
作り手の力量にかかっています。
長編初挑戦の作品としては
設定したハードルがちょっと高かったかもしれないな~
っていうのは最近すっっっっごく思ってます笑


そんなわけでジャンル選ぶのは苦労しました。

ツイッターの交流タグ等でもそうで、
内容や作品傾向が分かりやすい方がいいと思って
耽美系~とか退廃~とかいろいろ書くんですけど、

ホントはそういう雰囲気を目指して描いてるわけじゃなくて
描いてたら自然とそういう雰囲気になってただけなので
自分でそのレッテルを貼るのにはかなり抵抗がありました。

他人が同じことやってても
「ああ、そういうジャンルで描いてるんだ」って
納得するだけなのに不思議ですよね。

この辺については作品作りというよりも
アピールのしかた、どう世に出していくかって話です。
そういうとこはけっこうこだわりが強いので
いつも苦労してます。ムズカシ~!

でも漫画描くのは楽しいです! わはは!


グロと年齢制限

ジャンルに関してさらに言うと、
住み分けっていうのもまた大事な考え方です。
年齢制限もそうですよね。

何でもできちゃう同人だからこそ、
そしてインターネットで簡単にいろんなものに
アクセスできる時代だからこそ、
それを見たくない人・見るべきでない人が
見なくてすむように配慮する……
そういう節制はたしかに必要だと思います
(ただし作品の価値を害さない範囲で)。


私もね~、既刊読み返すといつも
「意外とグロいな」って思うんですよ。
自分で作ってると基準ブレてきますからね……。

第2話「鏡」より

本当は好きなことやってみんなに読んでほしいけど、
現実的には「一般向け」で許容されてるゾーンを
狙って描かないと、読んでもらうのは難しいのかと。

第4話「まがいもの」より
この人が特にギリギリな存在だって気がしてたけど、アレな部分は全員あるね。よく考えたら。

私としてはグロを描きたいんじゃなくて
書きたいテーマに向かってプロットを書いて、
それに沿って原稿の上で描き進めてたら
進行方向にグロが落ちてた みたいな感覚なんですが(?)

そのへんも読む人には関係ないですからね。
気をつけたいと思います。

構成について

最後に各話の構成に関して。

いつもの話作るときってこんな工程なんですけど↓

1.話の骨組みを作る
2.小説形式でダーッと書く(レトリックや読みやすさは度外視)
3.ネームに変換→漫画へ
1回小説挟むのはとっ散らかった考えを整理するためです。

内面ゴリゴリ掘り下げる話にしたいときは
1→2→3って進んで(1~2話、たぶん7話も)、
展開の転がりを大事にしたいときは2すっとばして
1→3で作ります(3~6話)。


とにかく話ごとに雰囲気を変えたいんですよ!
最初に「人生の中間決算!」って話はしましたけど
1話1話ちがうカテゴリについて決算してるイメージです。
シリーズ全体で一貫した主張っていうのももちろんしてるつもりではある。

そして『蝶の森』は決算であると同時に実験でもあります。
物語を作り始めてまだまだ日も浅いし、
今はいろんなやり方を試してみたいんですよね……。


基本的にそんなスタンスなので
漫画のための投稿サイト的なとこに作品置くより
自分ちの展示室みたいなこのサイトで好き勝手やる方が
私と読者、お互いのためにもいいかと思います。


……なんですかね、結局
「何の漫画なのか」って問いに対しては
「私がやりたいことやる漫画です」
としか言いようがないです(そうですか……)。

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シリーズ全体について言いたいことは
これぐらいです!

たまに、今描いてるぶんの衣装や建物の参考資料として
過去作を見返すんですが、いろいろ拙い部分も多くて
いつもギャアアアアってなります。

グロいかどうか自分で分かんなくなるのと同じで
面白いかどうかも自分ではもう分かんないけど、
それでも一生懸命やってるので大事な作品です^^


早いもので、1話をネットに上げてから
次の1月で1年になります(1ばっか)。

実際にやってみて分かったこともいっぱいあって、
それは今後の作品のなかで
前向きに反映できたらいいなと思ってます。

何か伝わるものを書きたいって気持ちなので
最後まで見守ってくれたら嬉しいです!

ではでは! 次回は第1話について書きます!