読書録|2018年11月その2

前回の続きでーす。


今回は『東京奇譚集』と『虫食む人々の暮らし』!

いくぜ! ドン!


村上春樹『東京奇譚集』

今月から発足した読書会 penguin book club (ツイッター)の課題図書でした。


村上春樹氏の著作を通して読めたのは初めてかな。

ツイッターで文体をいじられてる(?)ことから、わりと癖の強いイメージがあったんですが、この短編集はそんなこともなかったですね。


なんだろう、ドラマチックな展開を求める人には少々物足りないのかなという感じですが、私はこの感じがすごく好きでした。


説明されすぎず、分からないことは分からないまま、でも確かな変化があって、今日も生きてる……みたいな……。

優しい雰囲気でしたし、何より文章が読みやすかったです。

村上春樹氏というだけで何かとっつきにくいようなイメージを持ってしまっていたので、今回の課題図書選出をきっかけに触れることができてよかったです。



ちなみにこの短編集の中で私が好きだったのは

「偶然の旅人」と「どこであれそれが見つかりそうな場所で」です。

素敵でした。





野中健一『虫食む人々のくらし』

これは『蝶の森』のあとに書こうと思っている作品『アシュラの凱旋』のための資料として手をつけました。

やー、良著でしたね。

各章でイモムシ(総称)、カメムシ、ハチについて世界各国の昆虫食文化を紹介しています。

捕獲から調理、環境との関係、採る人、売る人、買う人……。

「昆虫食」がどのように人々の生活に根ざし、多様に展開されているのかがよく分かりました。

意外だったのは、昆虫が肉より高価になることもあるという点ですね。

でも、この本の中で食用昆虫の処理の仕方を学んで「こんなに手がかかるんだぁ」と分かってからは、それにも納得でした。


著者の野中先生もおっしゃってますが、昆虫食文化圏の人々は「食文化に乏しい、あるいは貧しいから虫を食べる」のではなく、むしろ「さまざまに調理法を研究しながら
おいしさという体験のために昆虫を食べている」。

同じ虫を食べるんでも、虫の大きさや種類によって、場所によって、食べる人によっても、さまざまな工夫がなされている。

それこそまさに豊かな食文化なんです。

この本を読んで、私は今まで知らず知らずのうちに、肉、魚 > 昆虫 というふうに
他の地域の食文化を下げて見ていたんだと気づきました。


「昆虫?! ウエーッ」
「そんなもの食べるのはおかしいよ!」

と、なってしまいがちですし、私もいざ目の前に出されたら、食べるのにはチョー勇気が要るなあと思います。

でもでも、自分たちが食べないからって、それを食べる人たちがおかしいわけじゃないんですよね。


この本は、世界各国の昆虫食文化を紹介するにとどまらず、食文化、ひいてはあらゆる文化の多様性を考える上で重要な視点を提供しています。

虫の写真がどうしてもニガテ!ってわけじゃなければ、ぜひ一度読んでみてください!




この本を手にとったのは資料として、という話をしましたが、こうやって知らない世界を知るきっかけを得ると創作やっててよかったなー!と思います!